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子供の夜尿症(おねしょ) 概要


通常、夜尿症いわゆる「おねしょ」は、膀胱機能が確立する3〜5歳位にはなくなりますが、小学校1年生で10人に一人くらいの割合で見られます。


また、比較的男子に多いものです。
ですから、小学校1年生のお子さんがおねしょをしても、一般的なデータから外れてはいますが、目くじらを立てるほどのことではありません。


そして、おねしょは思春期ころまでには治るものです。
夜尿症には一次性夜尿二次性夜尿があります。


一次性夜尿は生まれた時からそのまま一度も夜尿が治らずに続いている状態。二次性夜尿症は、一旦、夜にトイレに起きられるようになったものの、また夜尿が起こってしまったという状態です。


また、起こる仕組みによって膀胱機能未熟型ぼうこうきのうみじゅくがた多尿型夜尿症たにょうがたやにょうしょう(尿崩症)にょうほうしょうの2つにわけられます。


膀胱機能未熟型は膀胱の中に貯められる尿の量が少ないために夜尿をするもの。


多尿型夜尿症は、抗利尿ホルモンの分泌が悪く、尿が濃縮されなくて夜間にも薄い尿がたくさん出てしまうというものです。


要するに、多尿型は尿の量がとても多いために、膀胱がオーバーフローしてしまうということです。
夜尿の程度が強いお子さんは、24時前に夜尿がありますし、一晩に何度もということもあります。


そして、治ってくると24時前にはしなくなり、明け方に起こるようになります。
この時間的な起こり方で、夜尿ももうすぐ終わるなと気づくこともできます。


また、おねしょをしてしまって本人が気づく場合と気づかない場合がありますが、してしまった後に目が覚めるようなら少し良くなっている状態です。


ここで特に注意しなければならないのが、一旦おねしょが治まったのに、再び始まったという2次性夜尿です。
下のお子さんが生まれたための赤ちゃん返りや心理的葛藤による場合もありますが、他の病気との因果関係が深く、糖尿病などの病気に伴ったり、脳腫瘍などによる脳下垂体の障害で抗利尿ホルモンが出なくなり、夜尿を起こすこともありまっすので、病院でしっかりと検査をする必要があります。


また、背骨が一部割れていて、脊髄に影響を与えて尿のコントロールができなくなると、夜だけでなく昼も少し下着が濡れてしまうこともありますし、膀胱炎で夜尿を起こすことがあります。

子供の夜尿症(おねしょ) 受診と治療

病院を訪れる患者さんでは、4〜6歳頃と10〜11歳頃の2つのピークがあります。
4〜6歳では、幼稚園や小学校に入る前に治しておこうというもので、10〜11歳では移動教室や修学旅行など、宿泊を伴う行事があるため、それまでに夜尿を治したいという目的が多いようです。


いずれにしても、小学一年生で夜尿があるようなら、病院に行くことをおすすめします。その時には、お子さんの夜尿の様子がどうかということをしっかりと医師に説明できるようにしてください。


例えば先ほどお話したようなおねしょの時間、一次性もしくは、二次性fかということ、また睡眠の様子など。それによって、医師は夜尿のタイプを見極めます。場合によっては、飲み薬を処方することもあります。


抗利尿ホルモンが欠乏しているばあいには、同ホルモンを含む点鼻薬が処方されます。夜、寝る前に投与すると、尿が濃くなり、おねしょをしなくなります。

子供の夜尿症(おねしょ) 家庭での注意

家庭でご両親に気をつけてほしいことは、【起こさない、起こらない、気にしない】の三原則です。


夜尿症と睡眠はとても深い関係があります。
夜、眠っている間に抗利尿ホルモンが出ますが、睡眠のパターンが段々と大人に近づいてくると、抗利尿ホルモンの分泌が十分になり、おねしょをしなくなります。


ですから、睡眠のパターンの成熟とともに、おねしょは自然と治るものですから気にしない、そして睡眠パターンを成熟させるためには、夜中に起こさないことが大切です。


また、おねしょをしたからといって、ガミガミ怒るようでは、お子さんにストレスが掛かるだけ、かえって逆効果ですお子さんの自主性を伸ばし、お子さん自身の自己イメージが高まるようにしてあげることも必要です。


と言っても、毎日洗濯と布団干しに追われるお母さんは大変です。ストレスを減らすためには、敷布の下におねしょパッドをしくなどして、寝具を汚さないよう工夫しましょう。