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子供の高血圧 概要


血圧は年令や性別によってその数値が違います。
子供のばあいには、

  • 小学生は男女とも135/80mmhg
  • 中学生は男子140/80mmHg  女性135/80mmHg
  • 高校生男子140/85mmHg   女子140/85mmHg

を目安にし、これ以上の数値なら高血圧だと考えます。


しかし、小児期から思春期では、血圧の変動が大きいものですし、血圧は緊張すると上がりますから、検診などで一度この数値を超えていたからといって、すぐに高血圧だと決めつけることはありません。


通常は一回の測定時に連続三回測定し、更に約1週間ずつ置いて計算回、合計9回の測定を行い、いずれも基準値を超えたお子さんに対して高血圧の可能性が高いと診断しています。

子供の高血圧 原因

血圧が高いといえば、大人特有の症状のように思われがちですが、実は新生児でも血圧の高いお子さんはいます。


小児期に血圧が高いのは、まず腎臓やホルモンの病気が原因であると考えられます。
そして、これらの病気が元で高血圧の症状を起こしているのを「二次性高血圧」といいます。


また、以前と比較して、食生活の変化もあると思いますが、大人と同様の高血圧を引き起こしている子供もみられます。


集団検診などの結果ではっきりした原因がわからない「一次性高血圧(本態性高血圧症)」の子供が約1〜3%程度認められるようになりました。


その殆どは肥満が原因と考えれれるため、まずは肥満度をチェックします。そのつど、血液検査や尿検査を行い、高脂血症や糖尿病の有無も確認します。


そして、お子さんだけでなくご両親からも日常生活の食事や運動の様子、生活習慣、全家族に高血圧や成人病の人がいるかどうかなども聞いて環境的な要因も含めて原因を探ります。

子供の高血圧 治療

一次性と二次性の高血圧ではその治療方法も異なるため、どちらなのかを判別する必要があります。
高血圧の症状が先に見つかり、原因となるような病気が見つからないばあいは一次性高血圧と考えて経過を見ながら、その原因を探り、治療や指導を行います。


二次性であると診断されたばあいは、その根本となる病気の治療が再優先です。高血圧の薬の投与は、小児期でも場合によって行われますが、12歳未満で、「拡張圧期かくちょうあつき」(下の血圧)が90mmHgが正常範囲のところ、100mmHg以上の数値を示したばあいに薬物療法が必要と判断されます。
それに達していないなら、日常生活における食事と運動のバランスが指導が行われます。

子供の高血圧 家庭での注意

高血圧は放っておくと脳出血や脳梗塞の引き金になりかねないものです。またこれらは直接死亡原因になったり、命が助かったにしても半身不随や言語障害などの後遺症を残す、怖い病気です。


子供のうちは高血圧が原因で脳出血や脳梗塞を起こすことはめったにありません。
しかし、小児期の高血圧を成人になるまで引きずっていては、成人後の大きな危険因子になることは間違いありません。
塩分に注意したバランスの取れた食事と運動を心がけ、できるだけ早い時期に正常な血圧の状態に戻るように、家庭内での管理を心がけてください。