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子供の過呼吸 概要


過換気症候群かかんきしょうこうぐんとは、ストレスや興奮、怒り、悲しみ、痛みなどの心因によって、呼吸が深く頻回になり(過換気)、その結果として血液中の酸素の量が増し、血液がアルカリ性に傾くため、血液中で体を調節しているイオン化カルシウムの値が低くなることが原因です。


この状態では、神経や筋肉が興奮しやすくなり、しびれのような感覚を覚え、ひどい時は痙攣を起こしたり、貧血とは違いますが意識がぼーっとして倒れてしまうこともあります。


誰にでも起こりうる代表的な心身症のひとつです。
何かしらのストレスがかからなければ起こることはありません。


大人でも過換気症候群になりますが、精神的に未熟な学童から思春期にかけては精神的葛藤も多い時期であり、起こりやすいものです。
例えば、中学校の運動部の練習中に倒れてしまう場合があります。


これは、厳しい練習で段々と苦しくなっているのに、コーチに【頑張れ】と言われて、自分でも頑張らなければいけないと思いながらも体が限界でついていけないような、追い詰められた状態で起こります。


また男子に比べて女子は二倍の割合で起こりやすいものです。
誰からもよく思われたい、高い評価を得たいという心理がこの症状を起こしてしまうのです。


わたしも一度、過換気症候群を起こしそうになったことがあります。
私の場合は痛みが原因でした。痛かったのに我慢をしていたら、呼吸が荒くなってきて、そのうちに手がしびれてきたのがわかりました。
わたし自身がこれは過換気症候群と同じ状態だと気づいたので、呼吸をゆっくりにして、おさめることができました。

子供の過呼吸 応急処置

初めての時には、他の病気を考えなければならないこともありますので、お子さんの呼吸が荒くなり、様子がおかしかったら、すぐに病院へ連れて行ってください。


一過性のため、自分で呼吸をコントロールできる大人でしたら、その場で治まることもありますが、子供のばあい、なかなか自分で呼吸をコントロールするのが難しいものです。呼吸が正常に戻ればしびれやけいれんも治まります。


過換気症候群で、一度病院を訪れれば、その時に病院でも指導を受けますが、過換気症候群が起こったら、ビニール袋か紙袋を口か鼻に当てその中で呼吸をさせるようにしてください。これは、袋の中で呼吸するため、体の取り入れる酸素の量が減り、血液中のアルカリ化を抑えることで、症状を回復させるのです。

子供の過呼吸 家庭での注意

小さい時に過換気症候群を起こさせるのは、本人の性格や育てられ方、環境が影響していることがあります。
まずは過換気症候群を起こさせる背景を探ることが重要です。


日常生活の中でお子さんを追い詰めていないか、一度考えてみてください。
精神的に強く育つ子供ばかりではありませんので、同じようなストレスをかけないように、また本質的な自信をもたせるように、周囲の配慮が必要でしょう。


ときには過換気症候群のように見えても、実は違う病気だということもあります。
子供の過換気症候群の中には、背景を改善しなければ大人まで発作が続くケースも有ります。


症状が見られたらその背景を探るためにも専門病院で受診し、きちんと検査やカウンセリングを受けたほうがいいでしょう。