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うちの子がなかなか返事をしません。ひょっとして、難聴なのでしょうか?

Q:息子に呼びかけても、なかなか返事をしません。

よく聞こえないらしいのですが、異常なのでしょうか?近所の耳鼻科でも検査をしてもらうことができますか?

A:お子さんが、返事をしないというくらいですから、返事ができる年齢になっていると思われます。
ある程度返事ができる年齢に達しているのなら、早急に難聴かどうかの確認をすると同時に、耳が聴こえない原因が何かを探ることが先決です。


その原因には1,単純に耳の聞こえが悪いのか2、いつも口うるさく言われるために、もう聞きたくなくて反抗して返事をしないのか、3、聞こえすぎか、4、自閉症などの可能性があるのか。大きく分けてこの4つが考えられます。

まずは耳垢のチェックが先決!

まず、単純に聞こえないという場合、ひとつには耳垢みみあかが原因になっていることがあります。
耳垢栓塞みみあかそくせんといいますが、耳垢が溜まって、ちょうど耳栓をしているような状態になっているわけです。


これは、耳垢を取り除けば問題ありませんし、家庭で取るのが難しかったり怖いようだったら耳鼻科に行って取り除いてもらえばいいものです。
特に乳児の場合、耳垢を取るときに動いてしまうので、初めてのお子さんの時にはお母さんが自分で取るのは難しいでしょう。実家に行って助けてもらったり、一歳になるまでに2回くらいは耳鼻科に行って耳垢を取ってもらうことをおすすめします。

アデノイド肥大の検査は済んでいますか?

もう一つは、滲出性中耳炎しんしゅつせいちゅうじえんと言って、耳に水が貯まる症状による場合があります。
この原因は乳幼児の場合、アデノイド肥大が一番考えられます。


人間の体は、喉と鼻と耳の中耳という部分が耳管でつながっています。
アデノイドというのはちょうど耳管の喉の部分の出口付近にあり、肥大するとその出口を塞いだ状態になります。


すると、耳の中が真空状態になり、陰圧のため、外から液体を引き込んでしまうわけです。
そのため、アデノイドが大きいと滲出性中耳炎を繰り返します。


また、急性中耳炎のあとでも滲出性中耳炎は起こることがあります。
耳鼻科を受診しましょう。アデノイドは小学校入学の前に行われる剣心ではチェックしています。通常、アデノイド肥大と診断された場合、切ることを勧められます。(※現在は勧めないところが増えています。)


アデノイドというのは、リンパ組織で、リンパ組織が最も発達するのが6〜10歳位。
そのため、ちょうど小学校入学前後で一番大きくなり、その後段々と衰退して小さくなっていくものです。
ですから、大きさによっては衰退して小さくなるのを待っていてもいいのですが、大きいと聞こえない状態が続いたり、あるいは聞こえていたとしてもあまり聞こえが良くなかったりして、落ち着きがなくなったり、言葉の発達や学校の勉強に影響しますので、早めに切ったほうが良いと思われます。

ひょっとしてストレスが原因で難聴になっているかも、、、

また、耳は十分聞こえているのに、反抗して返事をしない、聞こえないフリをするお子さん。
これはお母さんが、口うるさく声をかけるのを少しやめてみたらどうでしょうか。


お母さんがお子さんに話かけをするのはとても良いことです。
話しかけをすれば、言葉もよく出てきます。


しかし、自分の言いたいことだけを話しかけて、子供の心を無視していませんか。
大人でも雑踏を歩いている時、周囲の音を無視しています。


例えば電車に乗っている時にいろいろなアナウンスがありますが、それを全部聞いているわけではなく、聞きたいものだけをセレクトして聞いているはずです。
それと同じようなことが起こっているのです。話しかけが大切といっても、一方的なのは良くありません。
お子さんの顔を見ながら話しあうとか、ただ伝達するのではなく、相手の反応を待って話をするということが大切です。


キャッチボールをしている時に、ただ、何個ものボールを放りっぱなしにするのではなく、相手が受け取りやすいかどうか、またどこにどう投げれば受け取りやすいかというようにするのと同じです。
お子さんの反応を見ながら言葉をかけていくことが大切です。
お子さんの反応が遅いとしても、それを待つことも大切です。自閉症が原因で返事をしない場合は、耳の治療というよりも、根本的な原因を解決する必要があります。

注意!聞こえの悪さは言葉の発達に影響します。

耳の聞こえが悪いことで一番大きな問題は、先天的に聞こえないということです。
これが難聴なのですが、小学校に入るもっと以前にわかります。


例えば、乳児期に音に反応しない。耳垢の検査と耳鼻科で耳垢を取り除いてもらったが、何も変わらない。
また乳児期でないとしても、耳垢や滲出性中耳炎ではないと病院で診断された場合は、一刻も早く大学病院などの大きな病院で診察を受けてください。


何事もたくさん吸収する時期にありながら、耳が聴こえないと言葉が出てこなくなります。
お話ができたとしても、何を言っているのかわからないこともありますし、知能は正常であるのに、言葉が不十分なため、一見、知能障害のように見えてしまいます。


言葉は適切な時期に適切な刺激が与えられないと発音や音がうまく出来上がりません。先天的に耳の聞こえが悪い、難聴だと診断されたら、早めに補聴器を使い、言葉の発達に影響を与えないようにしてあげてください。
早くすれば、正常の人と殆ど変わらない話し方ができるようになるはずです。