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なかなか上手にお話ができない子供はなぜ?どこか悪い?

Q:2歳になる子供は、なかなか言葉を覚えません。

近所の同じくらいの歳の子には、上手にお母さんと話をしている子もいるので、うちのこはこれからキチンと話しができるようになるのか心配です。

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A:言葉の発達にも個人差があるため、近所のお子さんと比較をしただけでは本当に言葉に障害があるのか、それとも単に遅いだけなのかはわかりません。
得に心配がいらないのは、特発性言語遅滞とっぱつせいげんごちたいです。
言葉を十分に理解しているし、話しかけたことに反応することはできるのに、うまく自分で話すことができないという状態。


これは、ご両親も言葉が遅かったり、家庭で2ヶ国語を話しているような環境で起こることがあり、はっきりとした原因が特定できないため、特発性と言っています。
特発性言語遅滞は、男の子のほうが多く、三歳くらいからある日突然たくさんおしゃべりを始めるようになり、その後はそのまま言葉が発達していきます。

言葉の遅れの、真の原因を探って

特発性言語遅滞かどうかの見極めは、家庭では難しいかもしれませんが、子供が家族の言うことをどの程度理解しているか、また状況判断がどの程度できるかということが判断の基準になります。
1歳くらいでは、これをお父さんに「持っていってね」というときちんとできます


小児科には診断表もありますので、参考にしてください。
また、指さし、という行動があるかどうかということも大切です。
言葉が発達するときには、まず指さしの行動が出て、それから言葉が出てきます。
そのため、診察にいらしたお子さんで、指差しの行動が出ていないと、言葉の発達も、もっと前で止まっていることになるのです。


指差しの行動は大体1歳までには出始めます。
例えば、外に出たいと外を指差して「あっあっ」と言ったり興味を持ったものの、自動車などが来た時に欲しいものをさして「あっあっ」など言うのがそうです。


特発性言語遅滞以外の場合でも、やはりその原因を突き止めることが非常に重要です。
まずは、難聴であるかどうかをチェックしましょう。


また、言葉が遅れているだけでなく運動の発達も遅れている場合と、運動はできるが言葉の理解が遅れているという場合は、精神遅滞の可能性がありますし、自閉症でも言葉の発達が遅れます。


精神遅滞の場合には、ことばが完全に正常化するかどうかはわかりませんが、段々と言葉が増えていきます。
自閉症の場合は、赤ちゃんの時に抱き癖がつかなかった、とてもおとなしかった、人見知りがなかった、お母さんの後追いをしなかったなどの状態が多く見られるので、思い出してみましょう。


極希ですが、「ランドークレフナー症候群」というのがあります。
状況判断はよくできるが、感覚性言語障害かんかくせいげんごしょうがいと言って、紙に書いたりモノで示したりするとわかるのに、言葉ではわからないという状況です。
これは、脳波に異常が見られますので、すぐに診断できるものです。小児神経科にて相談しましょう

お子さんの気持ちを理解した話しかけが大切!言葉の発達を促すには、まずお子さんに話しかけることがとても大切です。

つまり、環境要因が大切ということです。
お母さんがどちらかと言うと話をしたがらない人だったり、周りの大人が全く子供を相手にしないという場合には、話しかけがほとんどされていないわけですから、言葉が出ないのも頷けます。


また、子供が心に感じているであろうことを話しかけてあげることも大切。
子供が「あー」とか「おー」とか言葉の頭や語尾だけを話している時に、話したい内容を察知して、言葉として繰り返してあげることも、言葉の発達を促すことになります。
ネイティブスピーカーから外国語を習ったことのあるお母さん方は、その時のことを思い出してください。
子供の発育は人それぞれですが、言葉が遅いかなと心配になったら、くよくよ心配するよりは、早く小児神経科にて相談しましょう。