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斜視は病院へ行ったほうがいいのでしょうか?

Q:まだ生後4ヶ月の子供ですが、最近顔つきがしっかりしてきたように思えます。

でも、どうも目が真ん中に向いている、いわゆる寄り目のような気がします。
女の子なので、将来がとても心配です。一度病院で診てもらったほうがいいでしょうか?

A:目の玉が真ん中に向いていたり、左右に向いていたりするのを斜視しゃしといます。
赤ちゃんはまだ、鼻が低いために、目玉が内側を向いているように見え、一見、斜視かと誤解することが良くあります。


しかし、この状態が本当に斜視かどうかは、小児科医が診察をすれば簡単にわかることです。目に光を当てて、光が瞳孔の真ん中にキチンと当たっていれば大丈夫。
今度、検診に行く時に、いっしょに調べてもらうといいでしょう。


しかし、その時点で安心しても、斜視は成長とともにその症状が現れるものです。
両目が真ん中を向いているという状態でだけでなく、片目だけが真ん中を向いていたり外側を向いていたりということもあります。斜視の原因には、筋肉のアンバランスによって起こる場合、遠視があって起こる場合、そしてその両方があって起こる場合があります。いずれにしても疑わしい場合に早めに受診してください。

 

筋肉のアンバランスによる斜視は手術によって解決できます。

筋肉のアンバランスの場合、目の裏側の筋肉がどこか強すぎることにより、斜視が起こります。
眼科医が筋肉のアンバランスが原因だと診断した場合には、早めに手術をしてもらうことが大切です。


手術はもちろん麻酔が必要ですが、それほど大変なものではありません。
眼球の裏側の筋肉の強すぎる部分を見極めて、その箇所を少し細くしたり、切ったりするというものです。
ある程度大きくなれば、局所麻酔でもできる手術です。

目の機能を育てるにも早期受診、早期矯正を

遠視が原因だと診断された場合には、早くメガネを掛けて矯正することがとても大切です。お母さん自身がメガネを掛けさせたくないということもあると思いますが、その状況でほうっておくと、ますます目の機能が下がってしまいます。


私達が物を見る時、眼底の中心窩ちゅうしんかというところで像を結びます。
すると、それが刺激となって脳に行き、脳も上手く発達してくれます。


ところが遠視の場合、その像は眼底には届くけれども中心窩には届きません。
そうすると、目に関連する脳の機能が育っていかなくなります。
目の機能も適切な時期に適切な刺激が与えられないと、きちんと発達していかないのです。


また、このような臨界期には、両方の目で見て、立体的に理解するために、両方の目から同時に刺激しなければなりません。
そのためにも、早く視力の矯正をする必要がるのです。
目に刺激を与え、両方の目で物を見るという目の機能を発達させる時期は、6歳くらいまでです。


遠視だけでなく、筋肉のアンバランスによる斜視も、像を結ぶ位置がずれているわけですから、将来弱視になる可能性もあります。
早めに処置をすることが重要です。眼科の先生は、早ければ早いほど良いと言っています。
とにかく、斜視かなと思ったら、まず原因を探り、遠視なら矯正を、筋肉のなら手術をすることが先決です。
早めに眼科医に相談してください。