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子供の登校拒否 概要


登校拒否は、多くは小学校高学年から中学生にみられます。
最初のうちは、明らかに病気であるというものではなく、頭痛や腹痛というような症状や、朝、布団から出られず、お昼ごろになると元気になるというような症状から始まります。


そして夜には”明日は学校に行く”といって支度をしていても、結局翌朝は登校できません。
そして、ご両親が”学校に行きなさい”と言うと、反抗して暴力をふるというケースも有ります。
そのうちに、ご両親が学校に行かせることを諦めると、頭痛や腹痛などの身体的な症状は消えますが、ますます外に出られなくなり、一日中、自分の部屋で過ごすというお子さんもいます。

子供の登校拒否 きっかけと背景

登校拒否の原因は多様です。
一種の適応障害と言われるもので、ストレスが加わった時に、その状況に上手く反応できない、
とけ込んでいけないというものです。


どちらかと言うと、それまでは、周りの環境に過剰に適応してきた子供に起こることが多いようです。例えば、ご両親からみてもとても従順でいい子に育ってきて、学校の成績も優秀で、先生から見ても申し分ない良い子であった子供が、ある時から学校にいけなくなってしまうということも良くあります。


どちらかと言うと、知的能力や感受性が強く、他の人は気が付かなかったり、感じないようなことにも気が付き、そのために余計なストレスを感じている子供に多いようです。


ストレスによって脳が疲れすぎ、機能不全を起こしており、ホルモンの異常や脳の血流の異常などをおこしているとも言われます。


その理由としてはいくつか考えられますが、きっかけは、いじめや、過剰な負担(学級委員や何か行事の委員などに選ばれたり)、先生と合わないなどということもあります。


生徒の気持ちを無視してご自身の意見を押し付けるような先生に対しては、子供は拒否してしまうものです。また、あってはならないことですが、長期の病気による欠席がきっかけになることもあります。
このばあい、その背景として親子関係が上手く行っていないばあいも多いようです。


中には、ご両親が仲が悪く喧嘩をすることが多いというように、誰の目から見ても問題があるように見えることもありますが、逆に「なぜ」と思ってしまうような、立派なご両親という場合もあります。


得に、高学歴でエリートのご家庭で陥りやすい落とし穴があります。
ご両親ともに優秀で努力家、自分たちはそれなりに常に完璧を目指してエリートとして伸びてこられたばあいです。


もちろんそれでもご自分たちがわんぱく坊主だったり、夢見る少女だったりしたことを覚えておられ、子供は遊びやムダや失敗はとても大事であることを認識しておられるばあいは問題がありません。


また「辛い」と子供が訴えた時に「辛い辛い」とそのまま共感して下さるご両親のばあいも問題ありません。
優秀なご両親は、多くのばあい、子供の行動を先取りしてしまうことが多いようです。


また、悩みを聞くのではなく、子供の悩みの評価者になってしまうことが多いようです。すなわち、本来ならば子供が自分で考えて決断し行動すべきところを、これから起こるであろうことを予測し先手先手を打ってご両親の考えや価値観を押し付けて支配してしまっている。


あるいは、子供が学校であった嫌なことや失敗をご両親に話して救いを求めようとしても、「それはこうすればよかったのに」「それはきっとこうだったのよ」などと子供の気持ちを受け止めるまもなく、まず評論して、子供の気持ちを知らない間に拒否し、親の意見を一方的に言ってしまっている(ちょうどご自分相手に自己反省して忍耐努力をかすように)事が多いのです。これでは、学校という戦場で思い切り活躍してきた子供には息を抜く場所がなくなってしまいます。

子供の登校拒否 治療

まず本当に登校拒否かどうかを見極める必要があります。
朝起きられないことが背景となって、学校に行くことができないという子供のばあい、起立性調節障害症きりつせいちょうせつしょうがいしょう(神経調節性失神)も考えられます。


このばあいには、血圧が低いために、朝起きられないということが多く、起立性調節障害症のくすりを処方してもらえば、学校に行けるようになります。
登校拒否は、ただ病院で診察を受け、治療をすれば治るというものでもありません。病院には小児科、小児神経科、児童精神科などがありますから、いずれかの診療科で受診して、カウンセリングを受けるのも大切です。


しかし、実際には、家族、教師及び教育委員会、そして病院の医師またはカウンセラーの三者がしっかりと連絡を取り合って、協力体制のもと、お子さんが学校に行ける環境を作り出すことが望ましいと思います。



焦らず、時には、定時制高校に変わったり、例えば検定試験で大学受験資格をとることを考えたほうが良いこともあります。
立ち直りに、学校や家庭以外の場所における自己の存在意義の確認を得るために、アルバイトなども有用なことがあります。

子供の登校拒否 家庭での注意点

一番学校に行きたいのは本人です。行きたいのに行くことができず、最もつらい思いをしているのは本人なのです。


まず休息を取らせて上げることが重要と言われます。
登校拒否になる子供は、今までがとてもいい子すぎたというばあいに起こりやすいものです。
登校拒否はまず本人に休息を取らせてあげて、一方親子関係や学校における環境の修復によって、子供の気持ちを切り替えさせるしかありませんが、最初から”お行儀が良くて成績優秀な子”を目指さず、どちらかと言うと、いたずらしたり、反抗することの多い子供のほうが、のびのびと育ち、さまざまな環境に適応できるものです。